こんにちは!ティピーコペです。
コーヒーの今がわかる大会「JBrC」ジャパンブリュワーズカップ2023年の情報をまとめてみました。
「こんな淹れ方が!?」
「そんなフレーバーもあるの??」
という、刺激がいっぱい詰まった大会で、流行りの「コーヒー、アイテム、こだわりの抽出方法、考え方」が分かります。
コーヒーのフレーバーを想像しながら、最先端のコーヒー事情を楽しみましょう。
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JBrC(ジャパンブリュワーズカップ)とは
JBrC(ジャパンブリュワーズカップ)とは、SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)の主催で、2014年から開催してるコーヒー抽出の国内競技会です。
- ペーパードリップ
- エアロプレス
- サイフォン
- ネルドリップ
- etc…何を使ってもOK
2023年JBrC【1位】白石知輝:スイッチで透過×浸漬
\1位:白石知輝/
1位になったのは、東京都の株式会社 大一電化社「東京ショールーム」から出場した白石知輝(しらいしかずき)さん。
今回JBrCに初参加で見事に優勝しました。
ちなみにJLAC(ジャパンラテアートチャンピオンシップ)選手権で4位に輝いてる実力者です。
「華やかなゲイシャにボディーを足す」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】加圧ブレンド
最初のほうは、ブレンドしたコーヒーが口の中で、それぞれ別々に存在していた。でも、これじゃダメだ!ということで、ミルで挽いたブレンドを、炭酸水をつくる容器に入れて加圧してみたところ、アロマ、フレーバー、ボディに異次元の一体感が生まれ、さらに良質で爽やかな酸のボリュームが増した!とのこと。
加圧ブレンドして、15分後にガス抜きした粉でコーヒーを抽出
【コーヒー豆】ブレンド:コスタリカ×コロンビア
メイン:コスタリカ(ハシエンダコペイ)ゲイシャ種
メインはコスタリカ(ハシエンダコペイ)ゲイシャ種ハニーアナエロビックプロセスを80%使用。
フレーバーが最大になるよう、短時間焙煎。
ゲイシャ種らしい、華やかでフローラルなアロマやグリーンアップル、パイナップルなどの、明るく爽やかな酸を感じます。
がしかし、これではボディが足りない…。という事で、ブレンドを追加。
サブ:コロンビア(ミカヴァ農園)ブルボン種
足りないボディ感を足すためにコロンビア(ミカヴァ農園)ブルボン種10日間のカーボニックマセレーションを20%ブレンド。
甘さが最大になるように、コチラの焙煎は時間をかけてゆっくりと。
ブレンドすることで、クリーミーなテクスチャー、ラウンドな質感がでて、コーヒーに奥行きのある立体的なバランスが生まれるとの事です。
フレーバーディスクリプション
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | ピーチ、パイン、チョコレート |
フレーバー (味わい) | ホット帯:グリーンアップル、グレープ、パイン ウォーム帯:グレープ、カカオ コールド帯:ブルーベリー、グレープ、グリーンアップル |
アフターテイスト (あと味) | ホット帯:マスカット、グリーンアップル ウォーム帯:ブルーベリーのような甘さの余韻 |
アシディティ (酸の爽やかさ) | ホット帯:ブライト(鮮やか)、パイン、グリーンアップル、マスカット |
ボディ (口当たり) | ミディアムボディ、ラウンド、シロッピー、スムースなテクスチャー |
【抽出レシピ】スイッチの透過×浸漬
ハリオのスイッチを使って、粕谷哲さんが考案した「透過×浸漬式」にて抽出。
【前半】透過式
・1湯目:90℃のお湯を70gドリップ
・2湯目:90℃のお湯を70gドリップ
【後半】浸漬式
・スイッチの弁を閉鎖
・60℃のお湯を一気に160g注ぐ
・1分30秒になったらスイッチの弁を開けて抽出
・抽出効率の高い前半ではゲイシャの酸とフレーバーを抽出
・後半は抽出力を抑えてブルボン種の甘さとボディのみを抽出
使用アイテムの紹介
コマンダンテでコスタリカを27クリック、コロンビアを32クリックで挽いて、ブリューイスタのドリップポット(ピュアホワイト)を使い、ハリオのスイッチで抽出。
コーヒースケールは鉄板のアカイヤの、おそらくPEARLシリーズ。
コーヒーカップはORIGAMIフレーバーカップのピンク。
▶朝1杯におすすめドリッパー、ハリオのスイッチ!で粕谷哲が神レシピ考案
2023年JBrC【2位】山本咲良:エアロプレス×プリズモ×パラゴン
\2位:山本咲良/
2位になったのは、東京都の株式会社タイソンズ&カンパニー「ROASTERY by NOZY COFFEE」から出場した山本咲良(やまもとさくら)さん。
大好きな農園主さんへの想いが伝わる、とても素晴らしい内容でした。
「キャンディーマウスフィールの質感」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】エアロプレス×プリズモ×パラゴン
「エアロプレス×プリズモ×パラゴン」を使って、重さや軽さ、濃度や滑らかさを適切にコントロールして、フルーツキャンディを舐めてるような、心地のよいキャンディーマウスフィールを提供。
舌の上で重さと滑らかさを感じ、アシディティは柔らかく、甘さは持続して、立体感のあるカップに仕上げてます。
エアロプレス×プリズモフィルター
プリズモ:エアロプレスのアフターパーツ
エアロプレスのノーマルキャップよりも、力が一点に集中するので、厚みがあって、より濃厚なコーヒーが抽出できるアイテムです。
質感を出すにあたって、しっかりとしたコーヒーの輪郭を出すようにプリズモを使用。
今話題!のパラゴン
パラゴン:キンキンに冷やして使う金属製の玉で、抽出して滴下してるコーヒー液をパラゴンに当ててコーヒー液急速に冷やすことで、コーヒーのアロマを揮発させずに留めるアイテム。
【コーヒー豆】ホンジュラス(プラタナレス農園)
コーヒー豆は、ホンジュラス(プラタナレス農園)ティピカ種ナチュラルプロセス、COE(カップオブエクセレンス)2022年で9位をとったコーヒーを使用。
この豆の質感にフォーカスして抽出。より甘さは濃厚に、様々なフルーツを感じさせる複雑なフレーバーと、フルーツキャンディを舐めてるような、とても丸みのある質感を感じます。
フレーバーディスクリプション
舌のうえでコーヒーの重さと滑らかさを感じ、アシディティは柔らかく、甘さは持続して、立体感のあるカップが仕上がりました。
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | オレンジ、グレープ |
フレーバー (味わい) | ホット帯:レモンティ、アプリコット、ピーチ ウォーム帯:イエローピーチ、ネーブルオレンジ、ネクタリン コールド帯:イエローピーチ、フローラルな印象、チェリー、オレンジ |
アフターテイスト (あと味) | クリーンでスウィートフィニッシュ |
アシディティ (酸の爽やかさ) | ホット帯:チェリー、グレープフルーツ、レモン 冷めてくると:ラクティック、チェリー、オレンジ |
ボディ (口当たり) | ホット帯:スムースな印象 温度が下がると:重さと粘性、キャンディーマウスフィール |
【抽出レシピ】エアロプレス×加水
- エアロプレスに22gのコーヒー豆をセット
- 86℃のお湯(白神山地の水)を125g注ぎ、10回攪拌
- 1分間、蒸らす
- 20秒かけて93gパラゴンに当てながら抽出
- 90℃のお湯(pHと硬度が少し高めの水)を90g加水
・エアロプレス×プリズモで、厚みのある濃厚なコーヒーを抽出
・パラゴンで、アロマの強度を高め、アシディティは柔らかく、質感を向上
・抽出の前半、硬度の低い白神山地の水を使用することで、アシディティを最大限に抽出
・pHと硬度が少し高い水を加水することで、厚みのある、トロっとした質感を抽出
使用アイテム
ドリップポットは安定のブリューイスタのドリップポッド(マットブラック)を使い、エアロプレス×プリズモ×パラゴンにて抽出。
コーヒースケールはおそらくタイムモアのベーシックプロを使用。
白くて口のすぼんだステキなコーヒーカップは、ORIGAMIアロマフレーバーカップのホワイト。
2023年JBrC【3位】田中恭平:OREAオレア×エージング違いブレンド
\3位:田中恭平/
3位になったのは、東京都のアンリミテッド株式会社「UNLIMITED COFFEE BAR」から出場した田中恭平(たなかきょうへい)さん。
ちなみに、CIGSC(コーヒーイングッドスピリッツ)という、コーヒーカクテルをつくる大会の優勝経験者です。
「エージング」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】エージング違いのブレンド
【メイン】エージング9日目を2/3、中細挽きで使用
質感、甘さがあって、テイストバランスとボディの魅力を表現
【サブ】エージング4日目を1/3、中粗挽きで使用
明るい酸、アロマがあるので、生き生きとしたフレーバー、アロマを表現
エージングは冷凍でコントロール
- A:4日目で冷凍保存してエージングを停止
- B:9日までエージング
こんなふうに、冷凍でエージングをコントロールする事で、同じバッジの焙煎豆なのに別々のエージングでブレンドできます。
【コーヒー豆】コロンビア(ラスフローレス農園)ピンクブルボン種
コロンビ(ラスフローレス農園)ピンクブルボン種ダブルファーメンテーションナチュラル(70時間の嫌気性発酵ののち、70時間好気性発酵の2段階発酵)を使用。
華やかさを最大限に発揮したコーヒー豆で、甘さをともなう複雑な酸味とジューシーなボディがあります。
同じコーヒー豆を、エージング違いでブレンド提供
【長いエージング】
アロマやフレーバーが弱まるが、抽出効率が適切になり、テイストバランスとボディが良くなる
【短いエージング】
抽出効率が悪く、テイストバランスや食感が悪いが、明るいフレーバーが特徴的
フレーバーディスクリプション
アシディティを支えるスウィートネスがあるので、すべての温度帯で多様性に富んだフルーツフレーバーを楽しめます。
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | ピンクローズ、フレッシュベルガモット、ミックスベリー、微かにダークチョコレート |
フレーバー (味わい) | ホット~ウォーム帯:ピンクグレープフルーツ、ブラッドオレンジ ウォーム~コールド帯:ラズベリー、ザクロジュース、レッドグレープ |
アフターテイスト (あと味) | ロング ホット~コールド:ハイビスカスティー、レッドグレープ、微かにハイカカオチョコレート |
アシディティ (酸の爽やかさ) | ミディアムプラス、バイブラント(活発的) ホット帯:ブラッドオレンジ ウォーム~コールド:ラズベリー、ザクロジュース、フレッシュレッドグレープ |
ボディ (口当たり) | ミディアムからミディアムプラス 温度が冷めていくほどに、ジューシー、よりラウンドなボディ、ビロードのようなタンニン感 |
【抽出レシピ】オレアドリッパー
ブリューレシオは1:15
回数 | トータル湯量 |
---|---|
1湯目(90℃) | 30g |
2湯目(90℃) | 120g |
3湯目(90℃) | 180g |
4湯目(75℃) | 225g |
全体的に90℃のお湯を使いますが、過抽出を防ぐために、最後は75℃のお湯を使う
使用アイテムの紹介
コマンダンテでエージング9日目を25クリック、4日目を30クリックでグラインド。
フラットボトムなのに抽出スピードの速いOREAオレアV3ドリッパーと、超高速で抽出できるペーパーフィルターシバリストによる抽出で過抽出を防ぎ、クリーンで複雑なアシディティを表現。
コーヒースケールは鉄板のアカイヤの、おそらくPEARLシリーズ。
コーヒーカップはORIGAMIのフレーバーカップのピンク。
2023年JBrC【4位】井上暁文:ダブルグラインド×オレアドリッパー×カスタムウォーター
\4位:井上暁文/
4位になったのは、京都府の株式会社ヒサシヤマモトコーヒー(Unir)ウニール「Unir長岡天神店」から出場した井上暁文(いのうえあきふみ)さん。
「冷めてもおいしいコーヒー」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】オレアドリッパー×ダブルグラインド×カスタムウォーター
オレアドリッパー:豊かなフレーバーが引き出せる
熱の保有力が高いオレアドリッパーを使うことで、80℃の粉温を常に維持。断続的にお湯を注いでもスピーディーな抽出が可能。
これらの特徴で、豆の持つ豊かなフレーバーが最大限に引き出せます。
ダブルグラインド:微粉の除去と粒度コントロール
粗挽き→チャフの除去→細挽き→微粉除去(200マイクロン以下の微粉)
ダブルグラインドを行うことで、渋さやネガティブをださず、あまさやボディをしっかりと引きだします。
ブレンドに一体感を持たせるために、先にブレンドしてグラインドを行う。
カスタムウォーター
【マグネシウム30ppm添加】
シドラ種の生き生きとした酸味を出すため
【カルシウム15ppm添加】
ユーゲニオイデス種のあまさ、ボディを出すため
【バッファー10ppm添加】
中性を保ち、全体のバランスを保つため
【コーヒー豆】ブレンド:コロンビアのシドラ種×ユーゲニオイデス種
- メイン:シドラ種(エージング1日)で酸を表現
- サブ:ユーゲニオイデス種(エージング2週間)で甘さを表現
メイン:コロンビア(エルディビソ農園)シドラ種
メインは発酵感のあるコロンビア(エルディビソ農園)シドラ種ラクティックナチュラルを9g使用。
エージングは1日で、嫌気性発酵によって生れたストロベリーのような甘さ、ワインのようなフレーバーを抽出。
ちなみに、エルディビソ農園は、微生物の働きを熟知した学者とともに発酵プロセスをコントロールしている、ラボのような農園。
サブ:コロンビア(インマクラーダ農園)ユーゲニオイデス種
ブレンドでは、ものすごく甘くて、メインの豆に寄り添ってくれる酸をもたらしてくれる、コロンビア(インマクラーダ農園)ユーゲニオイデス種ナチュラルプロセスを3g使用。
エージングは2週間。クリーンで非常に強い甘さを抽出。
フレーバーディスクリプション
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | ソフトミルクキャンディ、ストロベリージャム、ホットワイン |
フレーバー (味わい) | ホット帯:ソフトミルクキャンディ、ストロベリージャム、ホットワイン、ピーチティー ウォーム帯:ロゼワイン、ミルクソフトキャンディ、ストロベリージャム、ピーチティ コールド帯:ロゼワイン、スターフルーツ、ドライパイナップル |
アフターテイスト (あと味) | ホット帯:クリーンで、ロングフィニッシュ ウォーム帯:クリーンで、ロングフィニッシュ コールド帯:スウィートロングフィニッシュ |
アシディティ (酸の爽やかさ) | ウォーム帯:ヨーグルトのようなラクティック、ラズベリー、アップル コールド帯:ヨーグルトのようなラクティック、ラズベリー、アップル |
ボディ (口当たり) | ウォーム帯:クリーミー、ウェルバランス コールド帯:ラウンドでスムース、ウェルバランス |
【抽出レシピ】オレアドリッパー
ブリューレシオは1:17で、TDSは1.2に設定。TDSを低めにすることで、冷める程においしいコーヒーが出来るそうです。
- 粗びきグラインド
- ブロアーでチャフのみ除去
- 中細挽きグラインド
- オレアドリッパーにセット
- WDTで粉を攪拌
- 【1湯目】96℃のお湯30g
- 30秒蒸らす
- 【2湯目】96℃のお湯を70秒かけて、170g(計200g)ゆっくりまわし淹れる
・1湯目30gをゆっくり注いで30秒間蒸らすことで、アロマとフレーバーを明確に
・2湯目170gをゆっくりと70秒かけて回し淹れることで、通常のレシピ、他の器具では出せなかったフレーバーを、より明確的に抽出
使用アイテムの紹介
タイムモアのXLite(エックスライト)でコーヒー豆を粗挽き後、ブロアーでチャフのみ飛ばして除去。そしてコマンダンテ(レッドクリックスをカスタム)52クリックで中細挽きにグラインド。仕上げに200マイクロ以下の微粉をパウダーコントロール。
キレイにムラなく均一的な抽出をするためにWDTを使って粉を攪拌。
ブリューイスタのドリップポッド(マットブラック)を使い、豊かなフレーバーが出せるオレアドリッパーにて抽出。
コーヒースケールは鉄板のアカイヤの、おそらくPEARLシリーズ。
\圧倒的に微粉量が少ないコーヒーミル/
\これでチャフだけを除去/
\コマンダンテのカスタムパーツ/
\200マイクロ以下の微粉を除去/
\粉を攪拌し塊を崩し湯通をよくする/
2023年JBrC【5位】望月幹太:エイプリルドリッパー×ダブルフィルター
\5位:望月幹太/
5位になったのは、東京都の株式会社丸山珈琲「伊勢丹新宿プラドエピスリー店」から出場した、望月幹太(もちづきかんた)さん。
「甘さ」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】AprilBrewerドリッパー×ダブルフィルター
ドリッパー:AprilBrewer(エイプリルブリューワー)
AprilBrewerドリッパーは、透過スピードが速くて過抽出が防ぎやすく、クリーンなコーヒーが淹れれるドリッパー。
リブつきの円錐ドリッパーと、底が平らなフラットボトムを掛け合わせたドリッパーで、コーヒー粉層が薄くて底が平らなので、全体から均一的に素早く成分が抽出できます。
ダブルフィルター
【ダブルフィルター】
フィルター2枚を重ねることで、よりスピーディーな抽出ができ、しっかりした甘さを感じつつ、クリーンなコーヒーができる。
【コーヒー豆】コスタリカ(シュマバ農園)ゲイシャ種
コーヒー豆は、コスタリカ(シュマバ農園byフランシスコ・メナさん)ゲイシャ種イエローハニープロセスを使用。
フランシスコ・メナさん=ハニープロセスの王様
農園では、熟練のピッカ―が紫色に熟したコーヒーチェリーのみを摘み、糖度を26度以上に仕上げてるので、非常に甘く、南国のフルーツを食べてるかようなコーヒーを味わえます。
フレーバーディスクリプション
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | ジャスミン、パパイヤ、ベルガモット |
フレーバー (味わい) | ホット帯:パパイヤ、ベルガモット ウォーム帯:青りんご、イエローピーチ コールド帯:マンゴー、ブラウンシュガー |
アフターテイスト (あと味) | 甘く長くつづく余韻 ホット帯:パパイヤ、イエローピーチ、ブラウンシュガー |
アシディティ (酸の爽やかさ) | ミディアム、青りんごのようなフレッシュな酸 ホット帯: 冷めてくると: |
ボディ (口当たり) | ミディアム、ラウンドでシロッピー、ウェルバランス |
【抽出レシピ】AprilBrewer×ダブルフィルター
まず、最初にフィルターをリンスする事で、繊維をひらかせて、成分を透過しやすくさせる。
- ダブルフィルターをセットしてリンス
- 中挽き粉13g
- お湯180g
- 4回でドリップ
回数 | トータル湯量 |
---|---|
1湯目 | 30g 蒸らし30秒 |
2湯目 | 50g(計80g) |
3湯目 | 50g(計130g) |
4湯目 | 50g(計180g) 2分10~20秒で終了 |
使用アイテムの紹介
コーヒー豆はコマンダンテ27クリックで挽いて、クルーヴで350以上1600以下の粒度に揃える。
ブリューイスタのドリップポッド(ピュアホワイト)を使い、過抽出を防いで均一的に抽出できるエイプリルブリューワー×フィルター2枚で抽出。
コーヒースケールは鉄板のアカイヤの、おそらくPEARLシリーズ。
今流行ってるブリューイスタのガラスサーバーに注いでます。
コーヒーカップはORIGAMIのフレーバーカップのピンク。
2023年JBrC【6位】森田晴香:2階建てドリップ
\6位:森田 晴香/
6位になったのは、大阪府の猫じた珈琲から出場した森田晴香(もりたはるか)さん。
初出場で、テロワール(コーヒー豆の農園の特性)、キラキラしたコーヒーをテーマに、大会に挑んでます。
【Point】2階建てドリップ
1つのドリッパー内で、1階と2階、2つの部屋をつくり、1階では透過抽出、2階では浸漬抽出という理にかなった抽出方法。
ネガティブは出さず、クリーンで滑らかな質感と甘さ、ポジティブな味だけを抽出できます。
1階(円錐フィルター)細挽き粉
1階の“円錐フィルター×細挽き粉”の役割は、適度な速さの透過抽出で、コーヒーのフレーバーや酸、甘みを出すことです。
2階(ウェーブフィルター)粗挽き粉
2階の役割は2つ。
①【1階の粉暴れを防ぐ】
お湯を注いだら起こる粉の攪拌でフィルターが目詰まりしないように、2階を設置することで1階の粉暴れを抑制。
②【2階はゆっくり浸漬抽出】
1階を細挽き粉にすることで、2階は意図的に湯だまりを形成して浸漬抽出できるので、しっかりした甘さと滑らかな質感を引き出せます。
【コーヒー豆】ボリビア(アグロタケシ農園)ゲイシャ種
コーヒー豆はボリビア(アグロタケシ農園)ゲイシャ種ウォッシュドプロセスの、ピーベリーを使用。
天空の農園と呼ばれてるアグロタケシ農園は、標高がたかく、昼夜の寒暖差が激しい環境です。
だけど、土の中の石がお昼の間に熱を蓄えて、夜の厳しい寒さからコーヒーの木を守ってます。
そこで出来た豆は、鮮やかな骨格のあるアシディティ、滑らかな質感、しっかりとした甘さをもっており、さらにゲイシャ種のフローラルで華やかな味わいを感じます。
フレーバーディスクリプション
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | フローラル、ピーチ |
フレーバー (味わい) | ホット帯:フローラル、シトラス、ダージリン ウォーム帯:ピーチ、マスカット |
アシディティ (酸の爽やかさ) | ホット帯:ストーンフルーツ、熟したレモン 冷めてくると:オレンジ |
ボディ (口当たり) | ミディアムでシロッピー、コンプレックスでウェルバランス |
【抽出レシピ】ORIGAMI×2階建てドリップ
\トモヤ塾長も訪問してます/
↑レシピの詳細な説明
硬度0の天然水に、マグネシウムとカルシウムを添加したカスタムウォーターを使用。
- スプーンを使って細挽き10gを円錐フィルターの壁にそわせる
- 粉の上にウェーブフィルターを置く
- 2階用の粗挽き9gをウェーブフィルターにセット
- 93℃と65℃のお湯を作る
回数 | トータル湯量 |
---|---|
1湯目93℃ ~0:35 | 40g |
2湯目93℃ 0:35~1:20 | 140g (180g) |
3湯目93℃ 1:20~2:00 | 20g (200g) |
4湯目65℃ 2:00~3:30 | 60g 260g |
使用アイテムの紹介
コーヒ―豆の1階用はコマンダンテで20クリック、2階用は30クリックでグラインド。ともにサザのパウダーコントロールストッカーで微粉を除去。
ブリューイスタのドリップポッド(マットブラック)を使い、ORIGAMIドリッパーにカフェックの円錐アバカフィルターとカリタのウェーブフィルターを使用。
ハリオのV60ドリップスケールで計量。
カップはORIGAMI(オリガミ)のアロマカップのターコイズ。
2023年JBrC【7位】山本紘奈:サイフォン×ミルクフォーマー×低温調理器具
\7位:山本紘奈/
7位になったのは、大阪府の株式会社リロインべべ「リロ珈琲喫茶」から出場した山本紘奈(やまもとひろな)さん。
「わたしの好きな、天国のようなコーヒー」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】人工エージング×サイフォン×ミルクフォーマー
人工エージング×サイフォン×ミルクフォーマーで、天国のようなコーヒーを抽出。
- 華やかで(コーヒー豆で表現)
- 明るくて(人工エージングで表現)
- 心地よくて(サイフォンで表現)
- “ふわふわ”してるコーヒー(ミルクフォーマーで表現)
人工エージング(低温調理器)
低温調理器具を使った人工エージングで「明るいコーヒー」を表現。
【人工エージング】
真空パックに入れた豆と40℃のお湯を低温調理器で48時間漬け込む。
焙煎直後の豆は雑味の角がツンツンで、酸味が元気。2~3週間たつと風味は強くなるが、角は丸く香りが弱くなる。
「でも、香りと風味が両方ほしい!」
そこで、人工エージングをしてみると、香気成分を逃がすことなく、2週間エージングをかけたような、雑味の角がとれて、風味も強く、あま味がすごく伸びるようになった。
サイフォン:とろっとした質感
サイフォンのとろっとした質感で「心地よいコーヒー」を表現。
サイフォンのとろっとしたオイル感がベストマッチ。
ミルクフォーマーで“ふわふわ”
ミルクフォーマーで「ふわふわなコーヒー」を表現。
抽出したコーヒーを全部ホイップすると、軽すぎて印象が残らないので、50gはカップへ移し、残った液体をふわふわにフォーム。
ふわふわになったコーヒーをカップへ追加することで、甘味と“ふわふわ”がちょうどいい質感に。
【コーヒー豆】メキシコ(サントゥアリオプロジェクト)ブルボン種
コーヒー豆は、メキシコ(サントゥアリオプロジェクト)ブルボン種パープルハニープロセスを使用。
糖度25度以上のチェリーのみを収穫し、エルダーフラワー、巨峰、キンカンのような強烈なフレーバーで、今回のテーマの1つ「華やかさ」を表現。
低温調理器を使った人工エージング豆と、焙煎後通常の12日間のエージング豆をブレンドしてます。
- 人工エージング16g:フレッシュ、キラキラで華やか
- 通常の12日エージング4g:元気な酸
フレーバーディスクリプション
テイスト | 評価 |
アロマ (香り) | 巨峰、キンカン |
フレーバー (味わい) | ホット帯:エルダーフラワー、巨峰、キンカン ウォーム帯:巨峰、オレンジ、ライチ |
アシディティ (酸の爽やかさ) | グレープフルーツ、グレープ |
ボディ (口当たり) | ミディアム、シルキー、だんだんとシロッピー、ウェルバランス |
【抽出レシピ】サイフォン
- お湯250gをフラスコ(下の部屋)へ入れる
- 本体(フラスコ+ロート)を熱源に当てて、お湯だけをロート(上の部屋)へ吸い上げる
- 豆20gをロートへ投入
- すかさず第1攪拌(13回程くるくる)でコーヒーの細胞をゆっくり開く
- 粉を入れて約20秒後に第2攪拌(12回くるくる)して熱源を停止して抽出
- 抽出したコーヒーを50gだけカップへ注ぐ
- 残ったコーヒーを2秒ほど電動フォーマーでホイップし、カップへ注いで軽くまぜる。
使用アイテムの紹介
ハリオのミルクフォーマーで“ふわふわ”したコーヒーを作ってます。
司会の粕谷哲さんが、ハリオからも電気式のサイフォンが発売したので、やってみたいと言ってました。
2023年JBrC【8位】岩鼻伸介:クレバードリッパー
\8位岩鼻伸介/
8位になったのは、岩手県のHappieceCoffee「キッチンカー本店」から出場した、岩鼻伸介(いわはなしんすけ)さん。
「SDGs」「オランジェッタ」をテーマに、大会に挑んでます。
【Point】カスタムウォーター×クレバードリッパー
SDGs
力のあるものに、協力してもらう。お互いが持ってないものを、相互に補完しあう。今回のブレンドの考えは、世界平和にも繋がると思ってる。
カスタムウォーター
釜石の天然水「仙人秘水」×硬度0の天然水をブレンド。
pH7.0、硬度5に調整して使用。
クレバードリッパー
浸漬、圧力、透過のすべてを行う、賢いドリッパー。
前半は水圧による圧力抽出、後半は透過抽出ができるので、複雑な味わいがありながらも、バランスのとれたコーヒーが楽しめる。
【コーヒー豆】ブレンド:東ティモール(ティピカ種)×パナマ(ゲイシャ種)
【メイン】東ティモール(レテフォホ村)有機栽培ティピカ種ウォッシュドプロセスを使用。
ハイローストにすることで、ティピカ特融のオレンジの香味を表現。しかし、ピール感(柑橘系の皮を砂糖煮した感じ)が残るので、ポジティブにオランジェットにすることに。
オランジェット=オレンジピールのチョコレートかけ
【サブ】パナマ(エリダ農園)ゲイシャ種ナチュラルアナエロビック・スロードライ・ソックスを使用。
現在の世界最高峰と言われるコーヒーの1つ。チョコレート感をだす為にハイロースト、多くのフレーバーと甘さをだす為にミディアムローストに。
エージングはそれぞれ5日間。
東ティモール20g (ハイロースト) | ・オレンジ ・ピール |
パナマ20g (ハイロースト) | ・チョコレート |
パナマ20g (ミディアムロースト) | ・多くのフレーバー ・甘み |
フレーバーディスクリプション
インテンシティ―(強烈さ)高めで、とても力強くライブリー(元気、活発)。
高温帯では華やかで、冷めてくると、どんどん味わいがまとまってくる。
そんな甘さのハーモニーが特徴的な1杯です。
テイスト | 評価 |
アロマ | 明るく華やか、オレンジ、ジャスミンのようなフローラル、トロピカルフルーツ |
フレーバー | ホット帯:力強く華やか、オレンジ、カカオ、ベリー、アプリコット 冷めてくると:オランジェット |
アフターテイスト | ホット帯:短め 冷めてくると:黒糖のような甘さが長く続く、ロングアフターテイスト |
アシディティ | ホット帯:力強くライブリー、オレンジ、ピーチ、アプリコット、ベリー 冷めてくると:シトラスやオレンジの皮を甘く煮詰めたような酸味 |
ボディ | ジューシーでミディアムウェイト、スムースでラウンドなテクスチャー、ウェルバランス |
【抽出レシピ】クレバードリッパー
コーヒー粉60gを中粗挽きして、微粉を除去。
湯量は合計300㏄
抽出レシオは1:5
回数 | トータル湯量 |
---|---|
1湯目95℃ | 250㏄ 粉を攪拌させる |
(1:00~) 2湯目70℃ | 50㏄ |
2湯目直後 すぐ透過開始 | 2湯目から60秒後にドリッパーを上げて完成 |
前半は「浸漬式」で一気にフレーバーを抽出
後半は温度を下げた「透過式」で、高温帯では出ないアフターテイストの甘み、ボディ感、違う味わいを抽出
これでコンプレックス(複雑な香味)なコーヒーが出来る。